「現代マネジメント研究」第2回 吉成信夫氏 講義

2023年度 野球 賭博 アプリ ・シティカレッジ関・各務原公開講座

第2回 「図書館でつくる地域の未来」

みんなの森ぎふメディアコスモス総合プロデューサー
吉成 信夫 氏

図書館と市民活動を軸にしたメディアコスモスについて話された吉成氏 図書館と市民活動を軸にしたメディアコスモスについて話された吉成氏

今年第2回の「現代マネジメント研究」公開講座は4月24日、岐阜市の図書館を中核とする「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の総合プロデューサー吉成信夫氏を招いて開かれました。学生約120人と一般市民ら約20人が参加し、図書館と市民活動を軸に地域の可能性を追求する試みに耳を傾けました。
講義で吉成氏が語った青春時代は、まさに紆余曲折の連続です。都立高校では「自分は何のために学校に行くのか」と思い悩み、中退して私立高校に入り直します。スポーツ 賭け アプリ では演劇にのめり込みますが、結婚を機に就職活動を開始。しかし就職した録音スタジオでは葬式の演出をさせられ、一年足らずで退職。「一生の仕事にできるかどうか」を基準にして会社を転々とし、PR会社、編集者など企画系の仕事を経験したと言います。   
それでも様々な業界を知ったことで人脈が広がり、コンサルタント会社役員に。旭硝子財団の依頼で地球国際環境賞であるブループラネット賞の広報戦略と選考すべてのイベントを任され、第一回の同賞を米国の真鍋淑郎博士に贈りました。同博士は後にノーベル賞を受賞しましたが、「そんな偉い人とは当時知らなかった」と苦笑します。 

あこがれの詩人・宮沢賢治と岩手県で体験した東日本大震災について語る吉成氏 あこがれの詩人・宮沢賢治と岩手県で体験した東日本大震災について語る吉成氏

コンサルタントの仕事は順調でしたが、吉成氏は三十九歳の時に妻と小学五年生の娘を連れて岩手県一関市東山町に移住します。あこがれの詩人・宮沢賢治ゆかりの「石と賢治のミュージアム」研究専門員になるためでした。「私の場合、いつも仕事が向こうからやってきた。人と人とのつながりで自分がやりたいと思う仕事に出会うことができた」と振り返る吉成氏。ミュージアムの企画・運営の仕事が評価され、2001年からは県立児童館「いわて子どもの森」の初代館長を七年務めました。さらに環境共生を理念としたNPO法人・岩手子ども環境研究所「森と風のがっこう」の理事長として十八年を過ごします。
2001年3月11日に発生した東日本大震災「3・11」。震災は岩手県での平穏な生活を一変させました。住民の車がガソリンを求めて長蛇の列を作り、パニックが起きる寸前の状況を見た吉成氏は沿岸部の図書館を「被災住民が語り合い、相談できる施設にしたかった」と語ります。内陸部の「森と風のがっこう」は大きな被害を受けませんでしたが、それは過疎地で農業や養鶏で食料と水を備蓄し、大都市には頼らない自給自足の生活をしていたおかげでした。
震災後、吉成氏は岐阜市が図書館長を全国公募しているのをフェイスブックで知り、「絶対にやりたい」という強い思いで応募します。 

「人と人の緩やかなつながりが可能なメディアコスモスは屋根の付いた公園です」と利用を呼び掛ける吉成氏 「人と人の緩やかなつながりが可能なメディアコスモスは屋根の付いた公園です」と利用を呼び掛ける吉成氏

それまで図書館について「司書が上から目線で見ているようで居心地が悪かった。中では静かにしなければならず、自由に話せない雰囲気が嫌だった」という氏。かつてスウェーデン、フィンランド、デンマークなど北欧の図書館を見て回った際、本について来館者が自由に語り合い、建物のピロティで舞踏会や演奏会が行われるのを見ていました。
「今の言葉で言えばコモンズ。いわば誰でも入れる農地や入会地、共有地のこと。いろいろな人が自分の好きなことをする空間として図書館をコモンズにしたいと思った。コーヒーを飲みながら好きな本を読み、本や生きる知恵についてみんなで語り合える場所。本を貸し借りするだけでなく、人がやりたいことをやり、時には悩みを相談し合う場所」と話します。人が交流するコモンズのような図書館を作る—全国に先駆けて図書館のイメージを大きく変える構想が動き出しました。
2015年7月にオープンした図書館は当初一年間で百二十三万人の来館者を記録し、旧図書館の十五万人をはるかに上回りました。八年近くたった今も年間百二十万人の来館者が訪れます。
開館に当たり、吉成氏が最も重視したのは理念でした。「それまでの図書館には貸出冊数の目標はあったが理念はなかった。オープン直前に『子どもの声は未来の声』という言葉が頭に浮かんだ。その言葉通り、私たちの図書館では本を通じて子どもたちの未来を末永く見守りたい。それは親子三世代にもつながるはず」と表現します。図書館の理念は多くの世代の共感を呼び、子ども連れの夫婦が多く来るようになり、来館者の若返りにもつながっているという。
吉成氏は「社会でコミュニティの崩壊が指摘され、生きづらい世の中になっている。メディアコスモスは知らない人同士が出会い、集まれる場所になればいい。図書館というコモンズで本を通じたつながりが生まれ、生きていく意味や哲学を語り合う空間が生まれる。緩やかなつながりが可能なメディアコスモスは屋根の付いた公園です」と学生に語り掛けた。
 

(文責:碓井 洋・ 写真:野口 晃一郎)

 

熱心に講義に耳を傾ける学生たち 熱心に講義に耳を傾ける学生たち
吉成氏のこれまでの経験や図書館について質問する学生 吉成氏のこれまでの経験や図書館について質問する学生
講演後、講師と片桐理事長、片桐学院長、両学長が記念撮影 講演後、講師と片桐理事長、片桐学院長、両学長が記念撮影

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