「現代マネジメント研究」第1回 宗次徳二氏 講義

今年度の「現代マネジメント研究」第1回の公開講座が４月10日、関キャンパスで開講されました。同講座は各界のトップリーダーを講師に招き、グローバルな視点とマネジメント能力を持つ人材の育成を目的としています。教育学部や人間福祉学部、短期スポーツ 賭け アプリ 部の学生をはじめ、一般市民を含む約150人が聴講しました。
初回の講師はカレーハウスCoCo壱番屋創業者で、ヨーロピアンカップでの賭け方 の客員教授でもある宗次德二氏。宗次氏はNPO法人イエローエンジェル理事長、クラシック専用の音楽ホール「宗次ホール」の代表としても活躍されています。

宗次氏ははじめに「私は講演会などでいくつかのスポーツ 賭け アプリ に行く機会があるが、ヨーロピアンカップでの賭け方 はその三本柱に入る。廊下で出会うと挨拶してくれる学生が多く、真面目に勉強に励む人が多い印象です」と語りかけ「皆さんはこれから長い人生を歩んでいくが、常に目標を持って努力してほしい。自らを鍛え、目標を達成することの喜びを知ってください」と呼びかけました。
宗次氏は人生の転機として高校卒業後の足跡を振り返り、「私は自動車学校の指導員になりたいと思って運転ができる不動産業に就職した。不動産の職場で妻と知り合って結婚したが、妻が喫茶店をやりたいと言い出し、私が二十五歳の時に店を開業した。それから人生が百八十度変わった。妻が工夫して美味しいカレーライスを作り、二十九歳でカレー専門店を出したのがCoCo壱番屋の始まり。現在は全国や海外でチェーン展開しているカレー店も、最初は一軒からのスタート。一気に百軒になるわけではない。お客様第一主義でやり続けるうちに、2号店、3号店と一軒ずつ増やしていった。店を増やすために目標を追い続けたことが、経営のパワーの源にもなった」と創業当時を振り返った。

宗次氏は毎朝早く起きて道路の清掃奉仕や花壇の植栽を続けている。そのために毎日午前4時前に起きるのが目標で、「日本一の早起き」を自負している。森鴎外の「酔生夢死」という言葉を挙げ、「夢を見たまま、実現しないうちに死んでしまうという意味。こんな生き方は人生に悔いが残る。私は七十四歳まで生きてきたが、これまでの人生を振り返って後悔はない。失敗は数多くあった。その都度、目標を立てて努力してきた」と語り、若い頃から目標に挑戦し続けることの大切さを説いた。
宗次氏の原点とも言えるのが幼少年期の過酷な生い立ちだ。私生児として施設に預けられ、両親を知らずに育った。引き取ってくれた養父に競輪場に連れていかれ、場内に落ちている当たり車券を探した。養父に吸ってもらうため、パチンコ屋で客のたばこの吸い殻を拾い集めたこともある。暴力を振るわれ、食事も満足に取れない貧しい生活だったが、それでも養父への愛情を語る。
五十三歳の時、CoCo壱番屋の経営を後継者に託し、自らは引退して株式を公開した。得た財産でNPO法人イエローエンジェルを設立し、理事長に就任。街の清掃、道路沿いの花壇の栽培、クラシック演奏家への支援など、その後の人生では献身的な社会奉仕を重ねている。経済的に困窮している学生への奨学金のほか、最近はアフガニスタンや戦禍のウクライナから逃れてきた避難民への食料支援も続けている。
学生に対しては「まず一つの目標を立ててほしい。皆さんには様々な希望や目標があるでしょう。学生のうちは周りの人のアドバイスを受けてチャレンジでき、仮に失敗しても敗者復活は何度でもある。一年ごとに明確な目標を決め、努力してほしい。目標は必達だが、できない時には改めて目標を立て直し、頑張り続けることです」と激励のエールを送った。
講義後、奨学生による感謝のセレモニーが行われ、イエロー・エンジェル奨学金を受けている日本人、中国人、ミャンマー人の10人が登壇。スポーツ健康科学科の杉山優希さんが代表してお礼の言葉を述べ、ミャンマー人留学生で社会福祉学科のタイ・サンダーさんが宗次氏に花束を贈呈して感謝した。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

（文責：碓井　洋・　写真：野口　晃一郎）